滑 落 <早期の起業断念に至らないために>
「敗北宣言」
起業のために妻の実家である地方の田舎に移住したのは2015年の夏、娘が小学校最初の夏休みに入った頃のことでした。
妻の実家は山の中にある限界集落になりかけの村落にあり、麓の小さな町まで車で10分ほどかかる場所にあります。
麓にある小さな町に店舗を借りて、店舗とネットで古着と雑貨を販売しようと思っていました。
小売業時代には新店舗の立ち上げに立ち会ってきたので、走り出してしまえば何とでもなると考えていました。
退職前から目星をつけていた空き店舗があり、大家さんと交渉をしていましたが、いざ移住して本腰を入れようとしたところ、最終的にこちらの希望と先方の希望が合致せず白紙になりました。
ド田舎だから空き家なんていくらでもあるだろう、くらいに軽く考えていましたが、都合のいい物件など見当たるはずもなく、だんだん焦り始めました。
地元の商工会議所に行き、自身の起業プランを鼻で嘲笑われてなじられました。
そのことを妻と義理の母に話し、いったん起業を断念し就職をしなおすことと、元の起業プランは副業として再出発をすることを告げました。
妻は「まだ諦めなくても」と残念がりました。
義理の母は私に対して相当落胆し、義理の母からの私への信頼は失墜しました。
故郷に置いてきた自身の両親に対しても申し訳ないと思いました。
口では「副業で再起する」と、いきがりましたが、
この日の夜、自分が敗北したことを自覚しました。
<早期の起業断念に至らないために>
【起業するなら今住んでいるところに近い場所か、土地勘がある場所の方がリスクが少ない】
【ルールと価値観や生活のパターンは地域によって、自分が暮らしている地域のものとはかなり違う。特に田舎の場合は住んでみることで初めて気づくことが多い】
【Uターン、Iターンで起業する場合は情報収集や計画に十分すぎるほどの時間をかけた方がいい】