谷底を行く旅

転職も移住も失敗。崖から転げ落ちて、その谷底を行く自虐自笑の記録です。

資格コレクター <ただの資格コレクション>

「これぞ、宝の持ち腐れ」

移住してから結構がんばって資格を取得しました。

しかし、結局のところ、どれひとつとして有効活用できていません。

移住して3年間で、第2種電気工事士、登録販売者、乙4種危険物取扱責任者、刈払機取扱作業者、フォークリフト運転技能、古物商許可証、以上6個。

 

妻の郷里に移住して、就職活動があまりにもふがいない結果が続いていました。

地元の求人に工業系が多かったことから、工業系の資格をメインに取得して、その資格を活かしてさっさと無職から抜け出そう、と虫のいいことを夢想していました。

今思えば完全に迷走していました。

 

私の場合、高校は普通高校、大学は経済学部、卒業後は小売業。工業系とは全く無縁の人生でした。

 

ハローワークの求人欄の必要資格の項目に多く記載されていた資格の中で、短期間で取得できそうな資格を選びました。

その選択には「将来自分はこうなりたい」といった信念などはありません。ただただ無職から抜け出したい、という目先のためだけの資格のチョイスでした。

 

結論から言うと、資格を持つことで就職活動の幅が広がることは間違いありません。

 

しかし、幸せな就職ができるかどうか、については別問題です。

資格を持って就職ができたとしても、その就職先で長く働き続けることができるか、の方が重要だからです。

 

私は「就職先で将来自分はこうなりたい」という信念を持っていませんでした。

「とりあえず入社してから考えよう」と思っており、持っていた資格のおかげもあり、就職はすぐに決まるですが、入社後にギャップに苦しむことが多かったです。

 

就職を有利にするためだけに資格を取っても後で後悔することが多いです。

私が言うのもなんですが、「資格を持って自分はこうなりたい」という強い信念がないと、おカネと時間の無駄遣いになる危険があります。

 

<それはあなたにとって本当に必要な資格なのか>

【資格を取得するためにはたくさんの時間を費やす】

【資格取得のためにテキストや問題集等におカネがかかる。受験料もタダではない】

【資格を取得した後も、その資格のことについて、勉強し続ける意欲を持ち続けられるか】

【トシをとってからの受験勉強は苦痛。記憶力が劣化している】

【資格を持っていることで、専門知識など、過剰な期待をかけられる】

 

インセクトワールド <虫との闘い>

「昆虫の王国」

自然が多いので虫がとにかく多いです。外に虫が多いのは当たり前ですが、家の中にもたくさん虫が入ってきます。窓を閉めているのに、いったいどこから入ってくるのか、ホント不思議です。

どんな虫も家に入ってくれば嫌なものですが、その中でもダントツに嫌なのが以下のやつらです。

 

<家の中に入ってくると嫌な虫ワースト5>

5位:カメムシ

秋から春にかけて大量発生する。触ると悪臭を放つ不快な虫。

4位:アリ

家の柱や壁をかじり巣をつくり増えていく。床下の木材が食われたりすると、部屋の床が抜けて陥没して危険。我が家でも被害にあっている。

3位:蚊

夏になるとあちこち刺される。真っ黒くて、シマシマのやつが特にかゆくなる。

2位:なめくじ

衣類や靴にキラキラした這った後を残す。廊下を歩いているとよく踏みつぶす。不快極まりない。

1位:ムカデ

でかい、早い、硬い。動きが速いので初撃で動きを止めなくてはならない。躊躇なく武器を振り下ろす覚悟がいる。体が硬質なので相手を砕くつもりで1撃2撃3撃を叩きこむ。かなり大きめの虫なので飛び散る体液の量が多くて不快。

 

ハエたたきの表面が、殺した昆虫達の体液で茶色く汚れていく様は本当に不気味です。

 

屋外においては、車を走らせればフロントガラスに虫たちがぶつかりフロントガラス一面がおぞましい虫達の体液で汚れます。

先日などは、ワイパーに首のない大きなトンボが挟まって取れなくなったときは発狂しそうでした。

 

<虫との闘い>

【虫を一時的に凍らせて動きを止めるスプレーがあるらしい。これを使えば、でかくて素早い虫を仕留め損なう心配がないらしい】

【蚊に刺されないようにするために、夏は外では虫よけスプレー、室内では電気蚊取り線香が必須。万一蚊に刺されたら、医者で処方される薬が最も効果がある】

【カブトムシ、クワガタ、オニヤンマ、アゲハチョウも移住当初は珍しかったけど、見慣れてしまえばただの風景の1つ】

エンドレス スノウ <雪との闘い>

「なんでわざわざ雪の多い地域に住んでいるんだろう」

住んでいる場所が山なので、平野と比べて雪の量が多いです。

我が家がある地区は、雪が一晩で30~40センチほど積もります。

これでも私にとっては十分多いと思う量ですが、昔はもっと積もったそうです。

 

私は冬場は朝4時に起きて6時過ぎくらいまで雪かきをします。

朝、扉を開けると真っ白な風景に絶望します。

そして平日は雪かきを2時間した後出勤。地獄です。

休日の場合は、朝、昼前、夕方に、家族総出でほぼ一日中雪かきをします。地獄です。

雪かきは人海戦術。当たり前ですが1人で3時間かかる作業が2人なら1.5時間、3人なら1時間で終わります。

当家の場合は家の前にある、雪を捨てるための融雪溝という側溝へ捨てていきます。

融雪溝がない地域では集めた雪を軽トラックに積んで海や川に捨てに行くそうです。

都会では神秘的な雪もここではゴミ同然です。

 

秋が来ると、また雪の季節が来るんだ・・・、とうんざりします。

 

<雪と戦う>

【雪かきは単純な肉体労働。人数が多ければ早く片付く】

【雪を捨てる場所が近くにない地域の場合、雪を捨てる場所に困る】

【家族の人数分のスノウダンプ必須】

【冬場は休む間もなく1日中雪かきをしているといっても過言ではない】

【屋根から落ちてくる雪の量も侮れない】

マイ トラック、マイ スリングブレイド <軽トラと草刈り機と私>

「雑草と戦う」

田舎暮らしでは、地域の環境整備の一つとして、草刈りという地域行事が、夏から秋にかけて数回あります。

 

アスファルトと密集する建物に覆われた都会では、雑草が生える隙間は、ほどんどないでしょうから、小さな鎌やシャベルで手作業でできるのですが、田舎は草の生える場所が多いので機械を使って草刈りをします。

 

地域の草刈りには、全員「マイ草刈り機」を持参して臨みます。

鎌やシャベルをもって参加する人は一人もいません。

軽トラも必需品です。私は軽トラを移住4年目に購入しました。

地域の草刈りでは、草刈り機と軽トラを持参することでようやく半人前の扱いです。

まさか自分が業者の如く、草刈り機を使ったり、軽トラを運転することになるとは、想像もしていませんでした。

 

日曜日の朝8:00から夕方16:00まで、途中に昼休みを挟んでのぶっ続け8時間。

炎天下の中、汗をぶったらして、時には雨が降る中でずぶ濡れになりながら。

道路沿い、河川敷、用水路わきののり面、池の周り、たんぼのあぜ道、森の中。

2~5人くらいのチームで1日を過ごすのですが、私のようなよそ者(しかもおしゃべりが苦手)とチームを組まされる地元の人がもう、不憫で不憫で…

そしてその後は、例のごとく反省会という名の飲み会で夜まで…

次の日は仕事なのに、ヘロヘロになって日曜日が終わります。 

 

でも、これだけしかない人はまだ幸いです。

自宅の敷地が広い場合や畑などを持っている場合は、さらに自宅の草刈りをしなくてならないのです。

隣近所の視線があるのでよりこまめに草刈りをします。

夏場は雑草たちが良く育つため2週に一度は草刈りをして庭の手入れをします。

我が家は古民家同然の建物ですが、庭だけは異様に広いため、奇数週に東側、偶数週に西側、という具合に毎週どこかしらの草刈りをしています。

だいたい1回の草刈りにかかる時間は2時間。

庭木の剪定等も含めると休日のうち4時間以上植物と戦っています。

 

しかし、さらに恐ろしいことに、村には私と同世代で、副業で田んぼや畑を営み、そこでも雑草と戦うツワモノも、かなりいるのです。どうなっているんだと思います。

休日は、カラダを休める時間、遊ぶ時間、自己啓発に充てる時間、家族サービスをする時間、として享受してきた私にとっては、かなりの誤算でした。

 

<田舎暮らしの盲点:雑草>

【夏場の雑草の成長は侮れない】

【田舎での草との戦いには機械を使わなければ太刀打ちできない】

【田舎の人達は休みの日も働く。なんなら平日も仕事に行く前の早朝にも働く】

【夏場の草刈りで汗をぶったらして作業しても大して痩せない】

【安い草刈り機はすぐに壊れる】

カントリーフェスティバル <神様の存在を別な意味で感じる>

「カルチャーショック!」

各地に奇祭や危険な祭りはたくさんあります。

お祭りの中には「お祭りありき」で、お祭りがメインのモノもあるのでしょうが、そもそもお祭りとは神事の一環です。

私はこのことを田舎に移住して初めて認識しました。

私が住む土地の祭りは、地味にハードです。

祭りの当番に任命されれば、年末から次の年末までの1年間を通して、大小さまざまな神様を祀る行事である「神事」に半ば強制的に参加させられることになります。

 

例えば、12月下旬から1月上旬まで、当番になった人たちは正月休みはありません。雪が降りしきる中、神楽の奉納や祈祷等、神事に奉仕します。

 初夏の祭りは準備の期間が長く、力仕事や大工仕事といった裏方の仕事に従事します。

これ以外にもあり、当番の人達の1年間はとても長く濃密です。

 

また、神事に参加する新入りはみっちり躾けられます。

「まずは神棚にお参りをしろ。挨拶はそれからだ」

「榊は息が吹きかからないように頭の上までかざしてお供えをしろ」

言われてみれば道理にかなっているため一つ一つ体にしみこむように覚えていけるのですが、40年近く神様と接することがなかった無神論者にとってはカルチャーショックの連続です。

 

都度の神事のたびに、反省会と称する「飲み会」の頻度も多く、酒が飲めないとコミュニケーションのスタートラインに立てないことも、現実に存在します。

 

そうやって、苦労を共にすることで打ち解けることができるという側面がある一方、私のような外様はそういう場で品定めもされているのです。

品定めが済んだ後、仲良くしてくれる人もいれば、そうでない人もいます。

 

また、神事を運営するにはおカネもかかります。運営費は村に住む人たちから徴収します。村を守る神様を祀るための運営費ですから拒むことはできません。

しかし、少子化と過疎化が進むこの村では村民から徴収する金額だけでは十分な運営費が賄いきれなくなってきています。

 

過去に私は、運営費の捻出のために「もっとお金が集まるような仕組みを考えてはどうか」と提案したことがあります。

しかし、長老の「神様を金儲けの道具にしてはならない」という言葉で一蹴されたしまいました。

(・・・次元が違う・・・・。話が通じない・・・)

どんなに貧しようとも、神様は売らない。このご時世に、こんなに信心深い人たちがいるのか、と大きなショックを受けました。

 

<お祭りは楽じゃない>

【祭りは華やかな部分だけではない。運営側は長い時間と労働力を神様に捧げている】

【生きている人よりも神様の方が偉い】

【祭りの協賛金という意外な出費がある】

【神社のメンテナンスも村の人たちが総がかりで一年中行う】

【円満な田舎暮らしを送るためには、酒は飲めた方が有利】

カントリーロード <田舎暮らしを始める前に>

「田舎暮らしが俺にハマってこない」

私が45歳、妻が46歳、娘が小学1年生の夏に、妻の故郷に移住しました。

転職活動も誤算と失敗の連続でしたが、ライフスタイル面でも誤算が多くありました。

 

移住先である妻の故郷は、山、川、海といった大自然に囲まれていますが、まず、私はアウトドアレジャーには全く興味がありません。

インドア派であり、一人でいることが好きな私にとっては、まさに宝の持ち腐れ。

 

わざわざ遠くに出掛けなくても、庭にテントを張るだけで大自然を満喫できるのです。

なのに、やらない。

バーベキューにもよく誘われます。

火をつけることすらできず、小学生にやってもらい、大人の面目丸つぶれ。

夏場はちょっと外に出れば体中を蚊に刺される始末。

 

地元の人々から好意で、釣り、登山、山菜採り、トライアスロン、サイクリング、サーフィン、キャンプ、バーベキュー等のお誘いをいただきながらもすべてお断りするのが、本当に心苦しいです。

才能的にも、体質的にも、これほどアウトドアに向いていない人間もいないだろう、と思うほどです。

 

 ・・・じゃあ、外に出なければいいじゃん。そう思われでるしょう。

しかし、大自然の中で生活するということは、大自然と共に生きる、もしくは、大自然と戦うことなのです。

 今まで住み慣れた都会を離れて、田舎暮らしをするということは、覚悟、というか、心の準備が必要です。

「趣味がどう」とか言っていられない。生活の中に「田舎暮らし」がガッツリ食い込んできます。

 

「日本語が通じるなら適応できて当然」「インターネットが発達したこの世の中なら都会と変わらない暮らしができるはずだ」「何なら家庭菜園で自給自足だってできるだろう」「緑の多い田舎でのびのびと子育てするのも悪くない」

・・・甘かった。誤算だらけでした。

 

風習、しきたり、方言、近所や親戚とのつきあい、地域活動、雪や虫や草などの自然との闘い、農作物との付き合い、仕事、子育て、買い物や余暇の過ごし方、田舎ならではの生活費と必需品など、今までの生活では想像できないことがたくさんありすぎて、正直なところ、慣れるのにかなり時間がかかりました。

 

<田舎暮らしを始める前に覚悟しておくこと>

【インドア派の人間にとっては、美しく豊富な自然は宝の持ち腐れ】

【1年を通じて休日の丸一日を田舎特有の事情に費やすことなんてザラにある】

【交際費や環境維持費等、田舎特有の出費がある】

【狭いムラ社会。噂好きでみんなが周りのことを見ている】

【近所のスーパーでは生活必需品しか手に入らない。欲しいものが欲しい時に手に入らないストレスがある】  

 

漂 着 <能力の劣化。俺ってこんなにできなかたったけ?>

 <落ちるところまで落ちたと思っていたら>

移住して2年半。自宅から車で20分以内の企業の事務職として採用されました。給与は新卒の高校生程度の額でしたが、ここからやり直そうと決めました。

(47歳にして、給与面ではほぼ最底辺まで落ちたな・・・)

給与は屈辱的なほどの金額で不満でしたが、休日がきちんとあるうえ、有給休暇が存在するので、休みをカネを出して買ったと思うことにしました。

通勤に時間がかからないため帰宅も早く、家族と過ごせる休日もきちんとあるため、家族はとても喜びました。こんなに喜ぶのか、というくらい。

 

しかしここも安住の地ではありませんでした。

事務の仕事についていけない!!

仕事の処理速度が遅い、仕事の物覚えが悪い、注意力不足でミスが多い。

改めて自分の能力が劣化してきていることを思い知りました。

 

入社してから、仕事を教わる先輩は20歳年下のお嬢さんでした。

新人のおじさんが、先輩の若い女性社員に仕事を教えてもらうのはなかなかハードルが高いです。

こっちは気にしてなくても、教える側の20代の乙女にとってはやりづらいようです。

彼女が私とコミュニケーションをとることを敬遠しているのは態度から明らかでした。

私がせめて若くてかっこいい男性であれば、コーチングする若き乙女もモチベーションが上がるというものでしょうが、いかんせん相手はスペックが劣化したおじさん。

仕事を教えて欲しくて質問しても、無視か罵倒で返される始末。

 

・・・まあ、これもそもそもは自分自身が掘った墓穴か。

落ちるところまで落ちたつもりでしたが、まだ谷底は見えていないようです。

とりあえず漂着はしましたが、自分の居場所がないという肩身の狭い気持ちは今までと変わりありませんでした。

 

<加齢による能力の劣化>

【歳をとると物覚えが悪くなるのは本当。若い頃よりも格段にスペックが落ちる】

【仕事ができないおじさんに対しての世間の扱いは虫けら同然】

【中高年の転職の場合、先輩や上司が自分より年下であることは珍しくない。しかし、こちらが気にしていなくても相手側はこちらの扱いに困っている】

【人生経験が浅い若い子たちは、自分たちが相手に仕事を教えるにあたって、相手の能力や性格を考慮に入れることなく指導に当たるケースが多い。中高年の自分たちにも若い頃にそういう時期があったこと思い出す】