谷底を行く旅

転職も移住も失敗。崖から転げ落ちて、その谷底を行く自虐自笑の記録です。

カントリーロード <田舎暮らしを始める前に>

「田舎暮らしが俺にハマってこない」

私が45歳、妻が46歳、娘が小学1年生の夏に、妻の故郷に移住しました。

転職活動も誤算と失敗の連続でしたが、ライフスタイル面でも誤算が多くありました。

 

移住先である妻の故郷は、山、川、海といった大自然に囲まれていますが、まず、私はアウトドアレジャーには全く興味がありません。

インドア派であり、一人でいることが好きな私にとっては、まさに宝の持ち腐れ。

 

わざわざ遠くに出掛けなくても、庭にテントを張るだけで大自然を満喫できるのです。

なのに、やらない。

バーベキューにもよく誘われます。

火をつけることすらできず、小学生にやってもらい、大人の面目丸つぶれ。

夏場はちょっと外に出れば体中を蚊に刺される始末。

 

地元の人々から好意で、釣り、登山、山菜採り、トライアスロン、サイクリング、サーフィン、キャンプ、バーベキュー等のお誘いをいただきながらもすべてお断りするのが、本当に心苦しいです。

才能的にも、体質的にも、これほどアウトドアに向いていない人間もいないだろう、と思うほどです。

 

 ・・・じゃあ、外に出なければいいじゃん。そう思われでるしょう。

しかし、大自然の中で生活するということは、大自然と共に生きる、もしくは、大自然と戦うことなのです。

 今まで住み慣れた都会を離れて、田舎暮らしをするということは、覚悟、というか、心の準備が必要です。

「趣味がどう」とか言っていられない。生活の中に「田舎暮らし」がガッツリ食い込んできます。

 

「日本語が通じるなら適応できて当然」「インターネットが発達したこの世の中なら都会と変わらない暮らしができるはずだ」「何なら家庭菜園で自給自足だってできるだろう」「緑の多い田舎でのびのびと子育てするのも悪くない」

・・・甘かった。誤算だらけでした。

 

風習、しきたり、方言、近所や親戚とのつきあい、地域活動、雪や虫や草などの自然との闘い、農作物との付き合い、仕事、子育て、買い物や余暇の過ごし方、田舎ならではの生活費と必需品など、今までの生活では想像できないことがたくさんありすぎて、正直なところ、慣れるのにかなり時間がかかりました。

 

<田舎暮らしを始める前に覚悟しておくこと>

【インドア派の人間にとっては、美しく豊富な自然は宝の持ち腐れ】

【1年を通じて休日の丸一日を田舎特有の事情に費やすことなんてザラにある】

【交際費や環境維持費等、田舎特有の出費がある】

【狭いムラ社会。噂好きでみんなが周りのことを見ている】

【近所のスーパーでは生活必需品しか手に入らない。欲しいものが欲しい時に手に入らないストレスがある】