谷底を行く旅

転職も移住も失敗。崖から転げ落ちて、その谷底を行く自虐自笑の記録です。

浅 慮  <サラリーマンを辞める前に>

「サラリーマンを辞めたい」

 脱サラして独立を考えていらっしゃる方は、もう一度考え直してみてください。

「起業をしてはいけない」と言うつもりはありません。

サラリーマンを続けながら副業的に準備をして機をうかがうこともできるはずです。

もしこれを読んでいる人が40代の方なら尚更です。

 

私は40代に入った頃、45歳になった年に「起業」して独立しようと考えていました。

 

小売業で店長職に就き、それなりに実績も出し、自信も信頼も手に入れ、まさに順風満帆。「俺は販売のプロだ」と自負がありました。

「会社を辞めても自分なら何とかなるだろう」 。楽観的にそう思っていました。

 

40歳を過ぎてからの「転職」は、本当に大変です。

 

・・・・・そうです。私は「起業」するために会社を辞めたのに、結局は「転職」になってしまいました。

 起業するにあたって、自分の場合はもっと考える時間を取るべきでした。

 

チャンスという時流を逃したくない、という焦り。

今までの実績と思いついたアイデアで勝負したい、という思い上がり。

 

「天才」であれば、勢いで成功をつかむのでしょうが、それは一部の一握り程の人達。

おそらくほとんどの人にとって、「起業」とは「深慮が必要な事」だと思います。

 

私の場合、深慮が足りず、自分なら進めると思った崖から滑り落ちました。

「あれ?」と思ううちにどんどん滑り落ちて、ようやくあたりを見渡した時には

谷底にいました。

 

谷底に落ちた時、自分の浅慮で家族を巻き込んでしまったことを申し訳なく思い、

そして自分の情けなさに絶望して、毎晩死ぬことばかり考えました。

 

<サラリーマンを辞める前に>

自分の起業アイデアについて、まずはサラリーマンを続けながら副業でできないか考える。副業として実践できるのであればそれで始めてみる】

たぶんあなたは天才ではない。あなたが思いつくアイデアは他の人もとっくに思いつている。過信は文字通り命取りだ】

ビジネス書でサクセスストーリーを語るヒーロー達は一握りの天才。「考えるよりやってみろ」と彼らは言う。しかし、甲子園で活躍した球児達のすべてがプロ野球選手として活躍できるだろうか。プロ野球チームでエースや4番打者として活躍した選手のすべてがメジャーリーグで活躍できているだろうか。浅慮は危険だ】

【自分の貯金を確認しよう。強力な金蔓がいるなら話は別だが、一発勝負しかできない程度の軍資金の場合は、万一失敗したときに再起どころか生きていけなくなる】

【あなたは素晴らしい人材である。それは疑いようがない。だからこそ深慮が必要である。浅慮で身を滅ぼしてはいけない】